ストレスケアに役立つ「感情処理法」

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 私たちは日々様々なストレスに晒されています。例えば、冬は寒さにキュッと身を縮めることも多くなります。そうすると体にも力が入り、気候の良い季節に比べ肩こりや腰痛等が酷くなるかもしれません。身体が痛むと辛くストレスですね。もちろん「寒い」こと自体が私たち人間にはストレスです。寒いことは体も心も喜びません。「寒い」に対してわく気持ちは嫌やキライという感情があてはまるのではないでしょうか。

 私たち人間の気持ち(感情)は、刺激(寒い)を感じると勝手にわくようにできています。食事をして時間が経つとお腹が空いてくるように自然とわくようになっているのです。その自然とわいてくるものに対して、私たちは「冬は寒いんだから嫌がったって仕方ない」、「昔に比べれば今は恵まれている」等と理屈をつけて、「嫌」「キライ」という感情を無視したり、自分が思うことを間違っていると否定したりしています。

 しかし、感情は日常の様々なことに対してわいてくるのです。カウンセリングを受けにくるクライアントさん(相談者)の中には、時々私に文句を言われる方もいらっしゃいます。心の問題を抱えてカウンセリングに来られているので頭では仕方ないとわかっていますが、やはり刺激(文句を言われる。結構強い口調で)に対して「怖い」「ショック」等の気持ちがわいてくるのです。その時は「怖い、怖い」と心の中で気持ちを理解し、カウンセリングが終わった後、「怖かったー」「ショックだなー」としみじみ気持ちや思いを認めて深呼吸をして気持ちを体の外へ吐き出します。

 このように、わいてくる自分の気持ちを認め理解し、深い呼吸と共に「気持ち」を体や頭の中から出していく手法を感情処理といいます。ストレスの多くは、自然にわきあがってくる感情を抑えることによって生じるので、普段から感情処理をしているとストレスケアができ、普段が今より気楽に過ごせるようになります。また、うつ病等のメンタル不調、神経性胃炎等の心身症の予防にも役立ち、私たちメンタルサポート研究所グループのカウンセラーはこの方法を使ってカウンセリングをしています。

 皆さんもぜひ日常でわいてくるちょっとした気持ちや思いも大切にとらえ、「あー私はこんな気持ちなんだな」と「ふーっ」と息を吐いて、体の力を抜いて気持ちを出してあげてくださいね。((株)メンタルサポート研究所 心理カウンセラー 小松 千恵)