社会環境と福祉について考える

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前環境大臣    自由民主党総務会長代理
衆議院議員   原田 義昭

 新年あけましておめでとうございます。福岡県知的障がい者福祉協会の皆様はもとよりご家族御一同様もご健勝にて初春を迎えられましたことに心よりお慶び申し上げます。また大臣在任中は、木髙 徳典会長をはじめ、皆様方には私の政治活動にご理解とご支援いただき、衷心より感謝申し上げます。
 さて、昨年は、平成から令和へ、新しい時代が到来しました。そして今年は1964年以来、実に半世紀の時を経て日本で2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。新たな時代の到来とともに、日本の国際化、価値観の多様化が進んでいくことになります。

 近年、SDGsという言葉を耳にすることが多くなってきました。このSDGsとは、Sustainable Development Goals の頭文字をとったもので、日本語では持続可能な開発目標と言います。これは、国連の開発目標で、持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲット(達成基準)から構成され、その達成に向けて、貧困層、障がい者、女性など分け隔てなく地球上の誰一人として取り残さない(leave no onebehind)ことを誓っています。私は、環境大臣在任中、所管大臣としてこのSDGsの担当をしていました。SDGsが目指すのは、発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。
 特に、SDGsの目標4(教育)、8(成長・雇用)、10(不平等)、11(都市)、17(実施手段)においては、障がい者に直接言及したターゲットが含まれています。SDGsの達成に向けて、日本政府は障がい者雇用の推進、障がい者の職業訓練の実施などを障がい者支援に関する具体的な施策として掲げています。障がい者がより一層の豊かな人生を送ることの支援のためにも、地方自治体、民間企業や地域社会など、社会全体が連携し、取組を推進していくことが求められます。

 結びになりますが、今年は庚子です。「子」は「滋る」増加するという意味を持っており、そして「庚」は更に通じ、更新を意味し、明瞭な変化を表すと言われています。まさに新時代の到来に相応しい年と言えるのではないでしょうか。貴協会の益々のご繁栄と皆様方の一層のご活躍をお祈り申し上げて、新年のご挨拶とさせていただきます。