倫理綱領

                               

福岡県知的障害者福祉協会 職員倫理綱領

前文

障害があっても、その人が望む生活を送る権利があります。
私たちは、ノーマライゼーションの理念に基づいた支援活動を日々実践・展開しなければなりません。
そこで、私たちは、自らの手によって「倫理綱領」を定め、障害当事者(以下、当事者)主体の福祉向上に努めることをここに誓います。


  1. 私たちは、すべての当事者の基本的人権を尊重します。

    基本的人権は、日本国憲法(1947年)、世界人権宣言(1948年)、国際障害者権利宣言(1975年)、障害者の権利条約(2006年)などで何人も侵すことのできない恒久の権利として保障されています。当然、事業所などにおいても、集団生活や障害、更に管理上の都合を事由に侵してはならないものです。


  2. 私たちは、当事者が社会の一員として尊重され、それぞれの自立・自律を達成できるように支援します。

    障害があっても、法の理念にあるように、基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されなければなりません。社会の一員として、社会参加を促進し自己選択、自己決定できる機会を確保しながら、一人ひとりの個性を理解し、自己決定能力を引き出す支援(意思決定支援)を提供します。


  3. 私たちは、当事者をいかなる理由によっても差別しません。

    今なお障害のある人に対して、さまざまな場面で偏見や差別が残っています。私たちは差別をしないことはもちろん、差別のない社会構築を目指します。


  4. 私たちは、当事者への合理的配慮を忘れません。

    当事者の障害特性、社会参加や能力発揮を制限する社会的障壁(環境)に対して、積極的に必要かつ適当な調整や変更などの合理的配慮を提供します。私たちは当事者と共に、社会的障壁のない社会の実現を目指します。


  5. 私たちは、当事者への虐待を一切しません。

    まず私たち自身が、他人の痛みを感じる人となり、身体的、心理的、性的、経済的、ネグレクト等虐待に関する行為を絶対に許さない環境を作ります。


  6. 私たちは、当事者個人のプライバシーに配慮します。

    全ての人にプライバシーがあります。私たちは、個人の情報を保護し、その人の尊厳を尊重します。


  7. 私たちは、当事者個々人のニーズの実現に努めます。

    チームワークをもって多角的にニーズや課題を把握し、サービス等利用計画や個別支援計画を立て支援します。また、モニタリングを通して継続的に話し合いをしていきます。


  8. 私たちは、事業所が提供するサービス内容についての相談・苦情を真摯に受け止め解決にあたります。

    常に当事者や家族(保護者等)の声をよく聞き適切な解決に取り組むために、相談窓口を設置し第三者委員等の意見を取り入れます。


  9. 私たちは、地域福祉を担う社会資源の一つとして、当事者が地域で暮らす環境の構築に努めます。

    社会資源の一つとして、また地域社会の一員として、その使命を自覚し、当事者はもとより地域社会全体に対し、責任ある仕事を行うことで、信頼を得られるように努めます。


  10. 私たちは、初心を忘れず一人ひとりに寄り添います。

    当事者の一人ひとりを、かけがえの無い存在として認識することはもちろん、サービス提供者として当事者から、家族(保護者等)から自らが学び続ける努力をします。