権利擁護に関する実践力向上研修

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~研修参加者の声より~
 今年度、当協会では全6回からなる「権利擁護に関する実践力向上研修」を開催し、59名の支援員が参加し、共に学びを深めています。
 研修会は、「①権利擁護についての歴史や法的視点を学ぶ」「②障がい特性を踏まえた支援の在り方を学ぶ」「③個人として、チームとして支援するスキルを習得する」「④感情処理、チーム作り、苦情解決、支援者としての在り方を考える」を目標としています。各回の講義に合わせ、参加者はグループワークを行いながら、講義内容の理解を深めています。
 今回は、受講者アンケートやグループワークで意見交換されている内容から一部を抜粋して紹介します。

第1回:権利擁護(職員倫理綱領)について
(講師:権利擁護・研修部会、不二法律事務所 市丸健太郎弁護士)
・虐待の芽は多く存在していると思う。
・「グレーゾーン」という発想そのものが許されるのか。
・倫理綱領を毎朝読み合わせし、意識向上を図っている。
・日常の支援を一度根本から見直してみたい。
・「昔はこうだった」が通用しないことを学んだ。

第2回:発達障がいの人と関わる工夫
(講師:福岡教育大学 倉光 晃子准教授)
・障がい特性を理解し、本人を取り巻く「環境」を見直したい。
・「ABC分析」を学べて良かった。
・支援(想いや技術)の統一が大切と感じた。
・支援ツールを活用した後のチェック、アクション(PDCAサイクル)が不十分であることに気付いた。
・DSM-5やウィングの4タイプ論を深く知りたい。
・「自立」の意味を据え違えていた。

第3回:障がい(児)特性の理解について・支援の実際について
(講師:小池学園、北方ひまわり学園、おおほり苑)
・幼少期はとても大切な時期と感じた。
・SSTの前に、ある程度の学力が必要であることがわかった。
・ポーテージプログラムやライフスキルチェック、トークンエコノミーシステムを取り入れた支援を考えたい。
・施設として当たり前に行っていることに疑問を持てる「環境づくり」に取り組みたい。
・(先輩職員にレクチャーを受けても)自分なりの支援、関係づくりが出来るまでは失敗することもあると聞いて安心した。
・「ケース会議」の在り方を再考したい。

第4回:支援を通じたチーム作りについて・地域移行支援について
(講師:障がい者地域生活・行動支援センターか~む、出会いの場ポレポレ)
・行動問題へのアプローチは行動問題の軽減ではなくQOLの向上が最終目標。
・スーパーバイザーの役割やスーパービジョンと事例検討の違いについて知ることができた。
・場当たり的な支援を減らしていきたい。
・チームを支援をするうえで、人との関わり、繋がりの必要性を実感した。
・これまでの支援が、利用者に制限を加えていたことに気付けた。
・安心安全だけに捉われず、外に出て人と関わることで生まれるメリット、デメリットについて考えさせられた。
・グループホームが生活の場の通過点として提供されている部分が新鮮だった。
・地域と交流する手段を色々と考えていきたい。
・「地域で暮らす」ことが「障がい者」というカテゴリーを無くすことに繋がると感じた。

 このように、会員施設の力もお借りすることで、様々な学びと気付きがある研修会が展開できています。参加者は悩みや課題を話し合い、ご自身の事業所で取り組めることを実践されている様子です。障がいのある当事者が、「当たり前の生活を送る」ために何をすべきか、引き続き学びを深めていきたいと考えています。
 今後も、ご協力よろしくお願いいたします。
(権利擁護・研修部会)