令和3年度ひなまつり表彰結果

令和3年度ひなまつりコンテストへ、たいへん多くのご参加をいただき、ありがとうございました。
厳正な審査の結果、入賞作品が決定いたしました。

振風苑

会長賞

作品~楽しい!嬉しい!友達っていいな~

コメント振風苑利用者様は、生まれつきの障がいのために日常生活の中に喜びや楽しみを味わうことが限られています。
生活の大半は、生命の安全と健康維持を優先するために管理されており、自らの意思で好きな時に好きなように行動を選択する事が思うようにできません。
利用者様にとって、創作活動とレクレーションの要素を併せ持つひな祭りは、「喜び」「楽しみ」といった感情を創作加活動や行事の中で自由に表現できる機会です。
準備~ひな祭り当日までの過程を楽しみ、その中から生まれるおもしろくて楽しいコミュニケーションを味わうことがひな祭り行事の根底にあります。
又、ひな祭りを通じて豊な四季を感じて頂くことも行事の目的の一つです。
顔抜きパネルは、段ボールを下地にした貼り絵で作られています。 創作作品の大半は生活の中から出る不用品(ダンボール、新聞紙、包装紙、食材用のトレーなど)を材料としています。ダンボールを分解する事に始まり、ポスターカラーの色付けや、鋏遣い、紙の貼り合わせなど完成までの全ての工程は、利用者様にとってはかなり難しい作業となります。 しかし、誰でもチャレンジできて失敗がなく好きなだけ関わることができる利点があります。廃材が利用者様の手作業によって新しい命を吹き込まれるところもおもしろさの一つです。 ひな祭りによって、利用者様の表情は輝き振風苑は温かい笑顔と笑い声に包まれます。

受賞コメントこの度は、ひな祭りコンテストに参加させて頂き感謝申し上げます。「会長賞」を頂き、利用者様、御家族様、職員皆で喜び合いました。
長期化する感染状況と、平和な暮らしが脅かされる報道が日常になりつつある日々の中で、利用者様の喜びと笑顔で世の中が少しでも明るくなる事を願ってやみません。
これからも、今回のような機会がありましたら是非参加させて下さい。
振風苑 ゆかいななかまたち一同

赤坂園

最優秀賞

作品『100人DEひな祭り ~みんな違ってみんないい~』

コメント まず初めに雛人形の顔を作りました。手書きで書いた目や口は、表情が一人ひとり違って個性豊かな素敵な作品が出来上がりました。髪の毛は毛糸を1本1本ボンドで貼り付けていく工程に苦戦し、あまりの難しさに途中から紙コップや折り紙を髪の形に切って貼る方法に変更する方もいました。不思議なことに、完成した顔は作った方に似ていて、皆で見せ合って笑いが起こり、とても盛り上がりました。
身体の部分はペットボトルに自分の好きな色を付けた水を入れて、カラフルな仕上がりにしました。女性の方は着物にレースを付けたり、髪を束ねて結んだりと女性らしさがプラスされていました。
できあがった雛人形一つ一つは、個性が強すぎてどうなることかと思いましたが、実際に雛壇に並べてみるとまとまりがあり、見ているとホッとするような、まさに利用者の方々を表している素敵な作品になりました。
雛人形は、ひとりひとりの災厄を身代わるという風習から誕生したと言われています。今回、赤坂園では利用者の方一人一体、合計100体の個性豊かな雛人形が出来ました。
この人形たちが、災厄を身代わってくれ、利用者の皆さんが今年も一年健康に過ごせることを祈っています。

ソーシャルサポートTsukinowa

優秀賞

作品『エコ活動で地球に優しい雛人形』

コメント今回のひな祭りコンテストでは、そのままではゴミになってしまう段ボールを用いて紙粘土を自作し、自分達でできるエコ活動として雛人形作りにチャレンジしてみました。
初めての経験でしたが、ダンボールを細かく千切る工程は楽しいようで、時間を忘れるくらい没頭しており、コロナ禍のストレス解消にも繋がっているようでした。
段ボールを鍋で煮込む工程では、独特な臭いが発生していましたが、雛人形を完成させるという目標のため、臭いに耐えながら柔らかくなるまで掻き混ぜていました。
煮詰めた段ボールを、粘土状になるまで根気よくこね、形を整えて数日乾燥させます。
絵付けでは、実物を観察して着物や持ち物などにもこだわり表情豊かな雛人形が完成しました。

笠置寮

優秀賞

作品『笠置寮なりきり立体ひな祭り』

コメントお雛様・お内裏様の頭を取り外しそこに顔を乗せることで、誰でもお雛様お内裏様になれるよう制作しました。工夫した点は顔はめパネルのように平面ではなく立体的に作っている事です。顔を乗せる為に人形の頭を取り外せるように作ることが大変でしたが利用者様と協力して可愛く楽しいひな壇を作る事ができました。

小郡学園

お雛様賞

作品『皆で頑張ってたくさん丸め一つの絵に』

コメント今回、初めて参加させていただきました、障害者支援施設 小郡学園です。
当園は、昔から指先を使う活動を行っています。現在は、日中活動の一環として、花紙を丸め、作品にする事に力を入れています。
握力の弱い方でも丸める事が出来、視覚的に達成感を得る事が出来るので、利用者の方も好んで活動に参加されています。普段は2等分~8等分の大きさに切り分けた花紙を丸めて作品にしていました。今回の作品は、16等分~32等分の大きさに切り分けた花紙を丸めました。
普段とは少し大きさが違う為か、始めは中々小さく丸める事が出来ずに苦戦していました。
しかし、毎日短時間ずつ取り組んでいく中で、日に日に上達していきました。
又、指先が器用で得意な方は、率先して取り組まれていました。
今回の作品は、絵を描いた台紙に色鉛筆で色を付け、同じ色の所に小さく丸めた花紙をボンドで一つ一つ丁寧に貼り付け、細かい所には、更に小さい花紙を丸めた物を貼り着物の柄を作りました。
特に難しく工夫した点は、着物の柄の部分です。花紙を濡らしながら丸め形を形成し、着物の柄の所には、黒色の縁取りを入れ、柄が際立つように工夫しました。
日が経つにつれ、徐々に出来上がってくる作品を見て笑顔になる方もおられ、出来上がりが大変楽しみになりました。
直接見ていただけなくて残念ではありますが、今年の3月には今回の作品を展示し、皆さんとお祝いをしたいと思います。
今回は、このような機会をいただけた事、良い刺激となりました。
ありがとうございました。

養徳苑

お内裏様賞

作品『個性と調和のタペストリー制作』

コメント 養徳苑では、日中活動の一環としてゴザ生産作業に取り組んでいます。仏座布団のゴザの「へり」付けから仕上げます。完成後は店頭に展示されます。他にも、寝ゴザなど5種類ほどの製品に取り組んでいます。
 今回は、活動に使用しているゴザを額縁に見立て、利用者さんと一緒に「へり」をつけて130センチメートル×400センチメートルの大型タペストリーを製作しました。このタペストリーに、桃の花で「ひなまつり」の文字を、周りには折り紙で作ったおひな様を飾りました。
 それぞれにできること、得意なこと、好きなことを分けて行い、それを一つの作品とすることで、い草の香りのするタペストリーが出来ました。

障害者支援施設 あけぼの苑

三人官女賞

作品『たのしいひなまつり』

コメントあけぼの苑には6つの活動班があり、その活動班で行っている活動を活かして作品づくりを行いました。
まず、メインになるお内裏様とお雛様をペットボトルのキャップで表現しました。6つのパネルを使用して利用者の方が貼りやすいようにマス目を描いて、キャップを置いてもらいました。いくつかの色を使用していたので間違って違う色を置いてしまったり、マスの中心に置くことが難しかったりと、苦戦することも多かったです。
工夫した点では、使いたいキ ャップが足りなかったりしたので、折り紙を巻いていろんな色のキャップを用意し、色鮮やかなお内裏様とお雛様になりました。1つ1つのパネルだけでは何が出来ているのか分からないようでしたが、パネルを合わせるとお内裏様とお雛様が出来上がりとても達成感を感じることが出来ました。

他にもペットボトルの底を利用して桃の花を表現した花を作りました。
はさみを使える利用者の方に折り紙でお花の形に切ってもらい、それをお内裏様とお雛様の周りに貼って、華やかに仕上げる事が出来ました。作品自体も縦1m33cmX横lm66cmの大きなものになっているので見応えがあるものが出来上がりました。

障がい者支援施設 真養園

五人囃子賞

作品『元気を出していこう!ひなまつり』

コメント毎日のように、新型コロナウイルスのニュースが流れ感染予防する生活が続いております。この中でも真養園の利用者様は元気いっぱいで日々過ごしております。
コンテストの参加は初めてとなりますが、日々一生懸命に作業に取り組む中、みんなで力を合わせ作品作りをし完成した喜びを味わって頂きたい気持ちで応募させて頂きました。

今回の作品作りを利用者様全員に伝えるとその中で、ものづくりに普段興味を示さない方が「姪っ子にあげたい、家族にあげたい」と言われ意欲を見せておられました。
みんなで一致団結した後話し合い作品作りに「紙粘土をつかってみたい」と意見がでました。紙粘土を全員で作ることは初めてであったため、ひとりひとりにあった作業工程を考え、粘土でヒナ型から作って頂いたり絵付けだけを行ったりバックに使用した貼り絵は早くから取り掛かり全員で仕上げました。時間をかけて行ったことで細かい部分までそれぞれの拘りを活かし製作されています。

真養園利用者様の元気パワーをお届け致したく参加させて頂きました。一人でも多くの方に作品を見て頂き皆様にコロナ禍で長引く不安な気持ちを少しでも取り除けたら幸いです。
これを機に色々な作品コンテストに参加させて頂きたいと思います。

ほっとスペースあさくら

ひなあられ賞

作品『うれしい!たのしい!だいすきひな祭り』

コメントほっとスペースあさくらのお一人お一人が楽しんで製作に参加出来るよう、それぞれの得意分野をいかして頂きました。細かい作業が好きな方、絵を描くのが好きな方、イメージを見ながら皆さんでアイデアを出し合いました。
平面のひな壇製作では細かい作業もあったのですが、はり絵や繊細な部品の絵も綺麗に仕上げて頂きました。
両サイドの吊るし雛も、従来の形を元にほっとスペースあさくららしさを出す為、皆さんの好きな絵も取り入れましょう!と、朝倉名産の柿、歌のお姉さん、ピクトグラム・・・個性が溢れています。
吊るし雛の下についている「まり」は、刺繡糸をボンドにつけ、利用者の皆さんが風船に一生懸命巻きつけて頂き完成したものです。 単色のモノ、数色のモノ、これも利用者さんの好みです。風船を取り除く際も、くっついてしまったものも綺麗に仕上げようと、細かく丁寧に取り除いておられました。
仕上げにさりげなく、事業所で作っている、お菓子やドレッシングを忍ばせました。これに気付いた利用者さんたちは驚きと喜びで大盛り上がり。 個性や才能が溢れた作品になったと思います。
コロナ禍で、全体での活動が減り、製作という形ですが、1つのモノを皆で作り上げる機会となり、充実した時間となりました。ありがとうございました。

穂波学園

ぼんぼり賞

作品『穂波学園ひな祭りさげもん2022』

コメント有名な柳川のさげもん祭りをイメージしました。
桃の花をメインに毬・ひょうたん・ひし餅等を飾りました。飾り一つ一つを利用者の皆さんがそれぞれデザインして個性豊かな世界に一つのさげもんが出来ました。
この制作を通してひな祭りの由来や毬・ひょうたん等を飾る意味を皆で学習する事が出来ました。またハサミやのりを上手に使える練習をしました。

ドリームハウス久留米

菱餅賞

作品『待ちどおしい春(コロナ終息を願って)』

コメントこの壁面は、まずティッシュを丸め、その外側をお花紙で包むのですが、この方法だと様々な工程を皆で分担して作る事が出来ます。
下絵に皆で丸めたものを貼っていくときれいな絵になる工程は、利用者の皆さんの製作意欲も増してきてスピードアップしてきます。 一つの作品を皆で作り上げる事で協調性や集中力、達成感を養えるよう支援しています。

四箇厚生園

桜餅賞

作品『満開の桃の花』

コメント可愛らしい桃の花は濃淡2色の花紙を使って奥行を表現しています。
花の中央のおしべは黄色い花紙を丸めて作ったもので、通所の利用者様が丁寧に作られました。2枚の模造紙に貼られた桃の木、葉っぱ、お雛様は貼り絵が得意な利用者様が和紙を使って作成し、桃の花は好きな所に自由に貼って頂きました。

本来であれば主役はお雛様ですが、自由で思い思いに貼られた桃の木の下でそっと佇むお雛様の姿を創造しながら全体図を考えました。
作品作りを行う前に、利用者様にコンテストの話を行い、皆で頑張ろう!!と団結し、作品作りの合間にもコンテストに出展する事を何度も伝え、モチベーションをみんなで高めて行きました!
完成した2枚の模造紙をつなぎ合わせた時は「きれいね」「花がいっぱい」「可愛いね」と、とても喜ばれていました。
3月の「ひなまつり」ではホールの壁に貼って、皆で楽しみたいと思います。

さいがわ学園

ももの花賞

作品『ひなまつり』

コメント

日中作業や活動の時間の中で、利用者様に作成して頂きました。
製作活動は細かい作業もあり、利用者様によっては取り組むのが難しい方もいらっしゃいました。「むずかしい」「できない」「わからない」等の言葉が多くあり、完成が難しいかと懸念されましたが、どの様にすると理解してもらえるのか、一人一人に説明を行い職員が一緒に製作を行うことでなんとか完成することができました。

あきさと園

白酒賞

作品『無病息災を願って』

コメント

平安時代、無病息災を願って始まったひな祭りの歴史を振り返り、現在のコロナ禍が一日も早く終息することを願いながら作品を制作しました。
最初に、このコンテストに参加を決めたときに思ったのが、ひな壇に欠かせない金屏風やぼんぼりなどを、どのように手作りするか、ということでしたが、今回、2グループに分かれて制作する中で、以前から利用者さん達がよく作っていた折紙を使おうということになり、さっそく、梅の花や鶯などの小さいものから、段ボールを活用した金色の金屏風など大物も制作することが出来ました。
庭にあった木に、和紙で作った梅に見たてたお花を付けたりと、やっていく中で、いろいろな工夫が生まれました。特に、白い風船を膨らませて、その回りに和紙を貼り作ったぼんぼりはとても良い出来栄えで、大いに盛り上がりました。
全ての道具が出来上がり、最後は、お内裏様、お雛様、三人官女に扮した利用者の皆さんの写真撮影です。お内裏様、お雛様、官女のお一人に、今年,成人式を迎えられた利用者さんにお願いをしました。
着付けをする時から、緊張の中にも嬉しそうな皆さんの表情を見ながら、コンテストに参加することができて本当に良かったと思いました。とても良い記念になりました。
今後も、何か機会があればチャレンジしたいと思いますので、宜しくお願い致します。ありがとうございました。

第二野の花学園

三宝賞

作品『標高400メートルのひな人形』

コメント福岡県朝倉郡筑前町三箇山にある標高400メートルの自然豊かな夜須高原の一角にある「第二野の花学園 」です。
今回は、生活介護利用者と一緒に作品作りを行いました。コロナ禍で行事やイベントが延期や中止になっている中、このようなコンテストに参加させて頂いた事で楽しい時間を皆で共有でき、良い思い出となりました。

令和3年度ひなまつりコンテスト作品集

参加された施設の作品はこちらからご覧いただけます。ひなまつりコンテスト作品集 »»

審査員からのコメント

  • どの作品も素晴らしくさまざまな工夫が凝らしてありとても見ごたえがありました。素材や制作過程へのこだわりもみられとても良かったと思います。

  • どれも利用者の皆さんが丹精込めて作成している姿が目に浮かび、選ぶ際に見た目も大事にしましたが手間も重視しました。
     このような取り組みを通して季節感、生きがいや生活の充実や自己肯定感に繋がることにとても意義を感じました。

  • どの施設・事業所も大変工夫された作品で、様々な材料・スタイルがあり、楽しく拝見させていただきました。利用者の方の心身の状況に合わせて材料を選ばれるなど、コメントにも感心しました。

  • 皆どれも力作揃いで甲乙つけがたく悩みました。コロナ禍ではありますが、楽しみながら作品作りに取り組まれていた様子が目に浮かびます。お疲れ様でした。